講演承ります

地域観光振興、ひとにやさしいまちづくり、人材育成、宿泊をともなう旅先 づくりなど

2010年4月13日 講演承ります

ごあいさつ
私、3年間の鳥取県の公募・観光プロデューサーの仕事を終えて関東へ戻りました。
その後の2年間は、鳥取での様々な経験の熟成期間でした。
鳥取で手がけたことを踏まえて、お話をしたいと考えております。

私が鳥取県で取り組んだこと

◆歴史上の著名人と地域の関係を掘る
鳥取での観光資源発掘中に、大伴家持、後醍醐天皇、羽柴秀吉、島崎藤村、写真家土門拳の生き様に触れ、感銘を受けました。これらを大切に編み込めたなら、他県に負けることのない、立派な観光資源になりえると考えました。
秀吉の鳥取城兵糧攻めは、地域にすれば負の歴史ですが、実はこれが鳥取市における最大の観光資源と私は考えており、それは今も変わっておりません。自分の兵を殺さず敵を落とす術、太閤ヶ平と鳥取城のウォーキングコース(URLに紹介)を歩けば、頭脳明晰な羽柴秀吉をきっと体感できることでしょう。

◆地域でトラベルボランティア(旅先介助者) 養成
鳥取全県を3地域(東部、中部、西部)に分け、それぞれで旅先介助者の養成を行い、全県で52名の、善意と元気あふれる市民を旅先介助者と認定し、地域に活動を託して参りました。県外からの旅人の依頼を電話で受けたら、担当希望者を募り、旅の当日、駅や空港まで、オリジナルのバンダナをつけ、登録証を首からさげて旅人を迎える。
車いすを押したり、目が不自由な旅人であれば手引き介助しながら、その旅人の旅に同行するという仕事です。鳥取県では1日5000円を旅人から申し受けました。その後東京都多摩市では1日19000円にしています。これには自宅から羽田空港までの往復の交通費が含まれます。
介護保険の補助がないので、地域性を考慮して費用を決める必要があるでしょう。
人にやさしい観光地づくりの第一歩です。

◆土、日、祭日、夜間、24時間使える車いすトイレに特化した情報整備
高齢者や身体の不自由な旅人を受け入れるために不可欠なのは、土、日、祭日、夜間、及び24時間清潔に使える多目的トイレを探し、その位置を把握するとともに、トイレの設備内容(20項目)の調査と維持管理であります。鳥取県では「旅人が使いやすい車いすトイレ203「鳥取県」」をPC、携帯電話、紙媒体で調べられるようにして、託してきました。が、データのリフレッシュがなされているかは定かではありません。

◆旅してやせるフィットネス・ウォーキング11コース構築(消費カロリー表示)
宿泊をともない、観光収入をもたらす旅人を誘致するにはどうしたらいいか、と考えたときに歴史秘話と自然コースを組み合わせて、里山ウォーキングコースを11 コース構築いたしました。正確には12コース。最後のコースはゲゲゲの鬼太郎でおなじみの境港から県境の橋を渡って、島根県へ入り、中海をぐるりとまわっ て、大根島から帰ってくる、しかも妖怪自転車(境港観光協会が貸し出しているママチャリ)で巡るというもので、ウォーキングではありませんでした。実は大変魅力あふれるコースです。境港観光協会が普遍的なコース提案として、引き継いでおられると思われます。
この企画では、単にコースを作るだけではなく、旅人が歩くという必然性を高めるために、すべてのコースに消費カロリーを提示しました。鳥取大学のスポーツ医学教授のご指導のもとに、10数名の県民有志とともにすべてのコースを実踏(万歩計と血圧計で測定)し、学術的に、きちっと消費カロリーを算出いたしました。
結果、鳥取県における、旅してやせるフィットネス・ウォーキング11コースを新たに創ったこととなりました。ただスピードをあげて歩くのではなく、歴史秘話を味わいつつ、連泊しながらじっくり歩く旅人を誘致するプログラムをめざしました。

◆旅人はなぜ、宿泊してくれないのか?
観光地としては、宿泊をともなう旅人を獲得しないと、観光収入が伸びません。私はトラベルデザイナーですので、逆の立場で、ツアーを作るときに泊まる場所を選定するのにいくつか条件があります。
・心地よく疲れて夕方を迎えたとき
・日没を見たいポイントが近くにある
・日の出を見たいポイントが近くにある
・朝市が開かれる場所が近い
・夜景が素晴らしい、など。

◆旅人にダントツ1位のプログラム:
因州和紙を手すきで漉いて、絵を描き、竹ひごつけて世界に一つしかないMY凧を作り、鳥取砂丘の馬の背(頂上)で日本海の風で天高くあげるプログラム
鳥取県の場合は砂丘を観光して、次の場所に行かれてしまうことが悩みでした。そこで、砂丘でなにかをする、滞在する必然性、つまり旅人がそこにいるメリットを提示し、旅館に泊まるしくみを構築したいと考えました。

上記「世界に一つしかないMY凧を作り」ですが、内閣府のモニタリングツアーとトラベルボランティア実践移動講座で実施しましたが、参加者からダントツに評判の高いプログラムでした。旅には人に語れるストーリーが必要です。旅を終えて帰宅した後も、会う人に自慢したくなるものがMY凧でしょう。口コミで観光地がPRされるのです。凧は一生の宝物、旅人の部屋にずっと飾られることでしょう。

◆鳥取砂丘、車いすチャレンジ
また、鳥取に着任して早々、鳥取砂丘の馬の背(高さ50m)は、私の目にはスロープに見えました。幸い砂地用の車いすがあり、砂丘の入り口には木道が作られていましたので、「車いすで砂丘チャレンジ」というプログラムをつくりました。トラベルボランティアが4人で、車いすの旅人を馬の背まで、車のシートベルトから作った2本のロープで引っぱりあげようとするものです。費用は車いすの旅人から10000円を申し受けました。件数は私の任期中に県外からの身体の不自由な旅人の砂丘チャレン ジを10件程受けたと記憶しております。この企画は、前日にMY凧をつくり、翌日は砂丘で凧あげですので、存分に凧あげを楽しんで、満足感いっぱいで心地よく疲れるので、1?2泊の滞在は実現出来うると思われます。

◆新鮮な海の幸のごちそう、消費カロリー1日1500キロカロリー旅館食の実現
鳥取県には10の温泉地があり、それらの温泉地の旅館や温泉組合の長の方に声をかけ、旅館の「豪華、新鮮海の幸のごちそう、1日の消費カロリー 1500キロカロリー実現」という取り組みを、前述の旅してやせるフィットネス・ウォーキングとセットで提案し、ウォーキングして心地よく疲れたら、日本の旅文化である旅館に泊まり、「豪華な新鮮海の幸のごちそう、1日の消費カロリー1500キロカロリーを楽しんで、旅してやせる」を実現するという青写真を掲げ、温泉旅館の食事のカロリー計測、栄養士の派遣等、構築をめざしましたが、カロリー表示の食事の方はあえなく、伝統の壁に撃沈いたしました。

◆手ぶら観光  鳥取で遊べ! ぼ便 の実現
また、高齢者、障がい者だけでなく、一般の旅人も旅を存分に楽しむために、旅行かばんを持ちたくないという希望や、持てないという事情があります。鳥取県では、県内の7つの鉄道や空港などの入り口で、旅人が自分の旅行かばんを昼までに託すと、その日中に、全県の宿泊の宿に500円で直送されるという仕組みをつくりました。 冬場はどうする?  駅のコインロッカーでいいじゃないか。様々な声があったことも事実です。おもてなしの心は、旅人の心を理解できるか、にかかってくると思います。

◆高齢者や、身体の不自由な旅人は観光地にとって上客
高齢者や、身体の不自由な旅人はゆっくりと、滞在型の旅を希望されます。温泉の大浴場へは介助者の費用を支払ってでも、入浴したいと希望されています。旅館側に有償で介助する人を2名育てれば、宿泊費にはおよびませんが、宿の収入につながることでしょう。高齢者や身体の不自由な旅人は、介助者を連れてゆっくり、じっくり旅されますから、地域観光振興にとっては、上客と言えるのではないでしょうか。

◆ほんものの観光資源を真摯に掘り起こす観光の質
今こそ、地域では、ほんものの観光資源を真摯に掘り起こすことが求められていると感じます。
私の鳥取での3年間は、地域観光資源発見の喜び、地域の歴史の掘り起こし、住民資源の活用などを取り組んで3年間の取り組みを終えました。

その後関東に戻った2年間は、それらの経験をじっくり熟成させたことになります。


講演の実現に向けて

このような私でお役に立てることがありましたら、勉強会、セミナー、講演会に可能な限り伺いたいと考えております。
主催者の方のご希望、ご予算がある場合は、臆せずお気軽にご相談ください。
身体に障害がある方や、高齢者の外出支援、介護予防、余暇支援に関する講演会、地域観光振興、人にやさしいまちづくり、ユニバーサルデザインツーリズムな どの人材育成、地域観光振興への提言など、ご要望に添ってお話させていただきます。

講演内容 (テーマの一例です)
●旅のしかた
・バリアフリー旅行の作り手から見た社会
・ツアーに身体の不自由な人を受け入れる方法
・身体の不自由な人の個人旅行のしかた
・誰もが参加できるツアーの創り方

●自治体向け
・人を幸せにする政策、観光と福祉の協働
・宿泊をともなう観光資源の磨き方
・ひとにやさしいまちづくりの手だて
・ユニバーサルデザインの観光地づくり
・日本の旅文化(旅館や温泉)を元気にする方法
・地域のひとづくり、社会資源の活用
・地域観光振興のきほんのき
・おもてなし講座
・旅人を介助する、旅にでかける、両方が介護予防
・誰をも排除しない地域観光振興の手だて

●地域NPOや市民を元気にする (小さな仕事と生きがいづくり)
・元気に高齢・障害・闘病旅行術
・旅先介助者養成講座・初級
・旅先介助者養成講座・中級 実践移動講座
(リフト付きバスに乗ったら講座、降りたらフィールドワーク)
・旅先介助者養成講座・上級 医療行為手前の旅先介助 & 重度障害者の旅実現を学

(バリアフリーの宿に泊まり、実際に客室を使い、排泄、入浴等の介助)
・凛としてひとり暮らしの老後を生き抜く方法
・二地域居住のすすめ(山に暮らし、旅を編む) など。

おわりに
地域の観光資源として、既に地域に存在する人材という社会資源のネットワークをはかり、ひとにやさしい観光地や地域活性化をめざしたいものです。観光客の裾野を広げる地道な観光基盤整備は木の幹をつくるようなものではないでしょうか。     おそどまさこ